すでに説明した部分入れ歯と同じく、取りはずし式になっています。
土台(床)に上下14本の人工歯をセットして、歯茎や粘膜に密着させるのです。
ただし、安定感はさらに悪くなります。
部分入れ歯であれば健康な歯で安定させることができますが、1本も歯がない状態なので歯茎で支えるしかないからです。
したがって、食べものを噛み砕く力はガクンと落ちてしまいます。
本物の歯と比べると2割程度しかないといわれています。
咀嚼するときに大切な歯根膜からの情報も途絶えてしまいます。
歯根の周りにあって、たくさんの神経が通っている歯根膜ですが、総入れ歯にするとなくなってしまうのです。
食べたり、話したりするときには、総入れ歯がうまく安定して機能するように、口の周りの筋肉が、歯があるときとは異なる動きをする必要があります。
総入れ歯がきちんと正しい位置に吸着した状態を保つためには、舌や唇、頬などもそれまでとは違う動かし方をしなければならないのです。
そのうえ、せっかく慣れてきても、あごの骨がやせてきたりして合わなくなると、新しいものを再び作らなければなりません。
一般的に3〜5年程度で新しいものが必要になるといわれています。
失った歯の数が少ない場合には、取りはずし式の入れ歯ではなくブリッジを使用するのが一般的です。
ブリッジは、なくなった歯の両隣の健康な歯を支えにして、接着剤(セメント)で人工歯を取りつけるものです。
このため、しっかりと固定されるので、取りはずし式に比べて安定がよく、噛みしめる力を損なわずにすみます。
ブリッジのメリットは、噛む力を回復できることに加えて、はずれる心配や違和感がないということにもあります。
しかも見た目だけではわかりにくい構造になっていますから、外見を損なうこともありません。
こうしたメリットは残っている歯を土台にしてこそ得られるものです。
人工歯を支える役目を割り当てられた両隣の歯には、大きな負担をかけてしまうことになるわけです。
負担をかけることで、残っている歯もいずれ失うことになるのではないかという心配がブリッジにはつきまといます。
ブリッジは支えとなる両隣の歯をたくさん削らなければなりません。
支えにする歯が健康でなければならないのは、言うまでもないことです。
歯周病が進んでグラグラしているような場合には、ブリッジにすることはできません。
いくら健康な歯であっても、ブリッジを使い続けるうちに多大な負担がブリッジのためには健康な歯を削らなくてはならないことがあります。
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